クロバナヒキオコシ(黒花引起こし)
イソドン・ツリコカルプス
Isodon trichocarpus
シソ科ヤマハッカ属
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ヒキオコシは病人を引き 起こすほどの薬効があるというのでヒキオコシという名がつき、 また病人を生き長らえさせたというので延命草という名もあるそうです。
クロバナヒキオコシはヒキオコシに似て暗い花をつける種類で、主に北日本の、比較的寒い地域に分布します。
暗紫色で長さ6mmほどの唇形花を多数つけますが、花をクローズアップしてみると、上弁は山形が4つあり、唇弁も下唇というより、受け口形になっていて、典型的なシソ科の花形ではありません。
ところでこの花は秋に咲く花で、1年前の秋は、この半分(今年7mm、昨年4mm)ぐらいの大きさでした。ですから老眼の目には咲いたことさえわからず、ゴミがついていると思ったぐらいです。
1年前の背丈は50cm以上ありましたが、今年は春咲きのためか30cm未満で咲いています。
紫に黄色の蕊があったことも気がつかず、認識不足でした。
和名に基づくとヤマハッカ属という表記だけですみます。元々はロシア系ドイツ人の植物学者マキシモビッチ(Carl Maximowicz :(1827–1891)さんが命名したのはプレクツランツス(Plectranthus trichocarpus :プレクトランツスとは「花に距がある」という意味)属でしたが、ラブドシア(Rabdosia:「茎から離れた」という意味)属を経て、今はイソドン属に分類されています。
属名イソドンはギリシャ語で「等しい(iso)」「歯の(dons)」という意味で、萼が等分に裂けていることを指しています。
種小名トリコカルプスのトリコとは「糸状の」という意味で、「有毛果実の」という莢に毛があることを指しています。
ブログ初出:2006/5
秋(春?)
花色:黒(紫)