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アリウム・セネスケンケ

Allium senescence

ヒガンバナ科ネギ属 

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アリウム・セネスケンケは園芸的にタケシマイワラッキョウ(竹島岩辣韮)やセツカヤマネギ(石花山葱)という名で流通していて、私もこれらの名で山草愛好家の方からいただきました。
竹島というのは多分島根県の竹島だろうと思いますが、いろいろ調べてみると、この島特有の植物ではないようです。
世界的にはGerman garlic(ドイツニンニク)やaging chive(長寿チャイヴ)として知られ、ドイツを西の端にして、東はず〜っとシベリア、モンゴル、満州、中国、韓国まで帯状に分布し、森林の明るい林床、斜面になったガレ場、草原地、塩湖周辺の草原などに自生しています。
分布からすると竹島ではなく朝鮮半島由来の植物のようです。

アリウム・セネスケンケは暖地では常緑の多年草ですが、-3〜4℃になると地上部が枯れてしまうようです。

ニラ(韮、韭:Allium tuberosum) のような幅0.5〜1.0cm、長さ15〜20cmの線形の明るい緑の葉を4〜9枚出します。
初夏から秋にかけて断面が長方形であったり、楕円形でその両端がとがっている花茎を25〜50cmまで上げ、茎頂に直径8mmほどのピンクから淡紫色のベル型の小さな花を20〜30輪、半球形の散形花序につけます。

純白ではなく薄いピンクであることが好まれるのでしょう。かわいさと育てやすさから、2014年に王立園芸協会(RHS)のAward of Garden Merit (AGM)を受賞しています。

基本種のAllium senescens ssp. senescens と、その亜種のAllium senescens ssp. glaucum(亜種ガラウクム)が知られています。 亜種のガラウクムは白い粉で覆われた青灰色~灰緑色の、巻いてねじれた葉を持ち、基本種の半分しかない矮性種で、花も早く咲くという、より園芸向きの種類と言われていますので、流通しているのはこちらの方かもしれません。なお亜種名は「ニンニク(ガーリック)のような」という意味のラテン語です。

種小名セネスケンケはラテン語のsenesco(セネスコ)に由来し、「年をとった、終わりに近づく、衰える」という意味です。多分種子を稔らさないまま、球形を保って枯れてしまうからだろうと思います。多くのネギ属は稔らないと小花梗がしんなりしてだらしなく垂れてしまいますが、しっかりと形を保つのがこの種類の特徴のようです。
和名のセッカヤマネギの「石花」の意味や「年をとった」という学名の由来は、不稔性が高く、一つの花序に1・2個の果実しか稔らないからだろうと推測しています。

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