
ベルバリア・クラッサ
Bellevalia crassa
キジカクシ科ベルバリア属
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ベルバリア・クラッサはトルコの東部、マラタヤ(Malatya)地方の限られたがれ場周辺に自生しています。
ベルバリア・クラッサは2タイプあるようで
年を経るにつれ花序は長くなるが、初花の時は短い花序のタイプ
いつまで経っても短い花序のままのタイプ
ベルバリア・クラッサは蕾の時は薄いピンクから紫ですが、開くにつれて茶色っぽくなっていきます。葯が茶色いという理由もあります。
蕾はしっかり詰まって花序を構成しますが、蕾が開くにつれ花茎が伸び、花はまばらに付いているように見えます。
幅のある披針形の葉で2〜4枚あらわれます。縁に赤い色が入ります。
その後にできる果実は放射状に3室に仕切りられた莢を持つ蒴果(さくか)で、直径2mmほどの大きな黒い種子が実ります。
莢は熟すにつれて赤く色づき、さらに薄茶色になって枯れます。
発見者で命名者のウェンデルボ(Per Wendelbo;1927〜1981)さんはノルウェー人で、スウェーデンのイエテボリ(Göteborg)大学の植物学教授で、テヘラン(Teheran)植物園長を務め、地中海沿岸の球根植物の専門家です。
コリダリス・ウェンデェルボイ(Corydalis wendelboi)にその名を残しています。
ウェンデルボさんによって1980年に公表されていますが、彼は、ベルヴァリア・クラッサは「人に知られないまま、人の目から上手く逃れてきた」と述べています。
今日では夏に乾燥するイラン北部やコーカサスでも自生地が確認されています。
クラッサは「頑丈な、濃い、丈夫な、肉付きのよい」という意味で、大きな球根や姿からのイメージを示しているのでしょう。
ブログ初出:2018/4
春
花色:紫


