コリダリス・カシミリアナ
Corydalis cashmeriana
ケシ科キケマン属
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コリダリス・カシミリアナは種小名から類推できるようにカシミール地方を中心に、ブータン、北インド、ネパールなどの山脈地帯に分布しています。
海抜3000m〜4500mの高山の北面の斜面や背の低い植物の茂る岩場の草原や希に岩礫地に自生しています。
円錐形の貯蔵根を持つ宿根性のキケマン属で、現地では5月から8月頃にかけて花をつけるようです。したがって塊茎を持つコリダリスには含まれず、宿根性のコリダリスに分類されます。
草丈は5〜20cmほどで、根茎からは何本も根出葉が出ます。青緑色の葉は大きく3片に手掌状に裂け、裂片は狭卵形をしています。葉は互生してついています。
苞葉は不規則に披針形に裂けています。
草丈より高くならないで、葉と同じ高さで総状花序に少数の、1〜7輪の花をつけます。
花の長さは15〜20mmほどで、透明感のあるブルーのスラッとした花です。
内側の花披の先端の一部はやや濃いブルーをしており、さらに奥の方は白色をしています。
外側の上花披には鶏冠があり、大きく目立つ下花披にはくぼんだ溝があります。
花は枯れる頃になると色があせます。
萼片は2枚あるそうですが、小さくてよく見えません。
果実は1.5cmほどの細い楕円形をしています。
インド生まれの英国人植物学者ロイル(John Forbes Royle:1798–1858)さんによって1838年に公表されています。夏の暑さを乗り切るためにはスコットランドで増殖するのは難しかったようで、スカンジナビア半島で増したようです。
しばらくして1938年にはAward of Meritを受賞しています。
属名はカシミールの地名から来ているのでカシミリアナが正しいと思うのですが、一般的にはカシュメリアナと読まれています。
ブログ初出:2013/4
花期:春
花色:青