コリダリス・グラウケスケンス
Corydalis glaucescens
ケシ科キケマン属
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コリダリス・グラウケスケンスは中国中部の天山山脈や、パミール高原から北に延びるアルタイ山脈の海抜1300〜1800mの低木の茂みや、林間、草地の斜面に自生しています。
塊茎は直径1〜2.5 cmで、丸みを帯びています。寒い時期に、その鱗片から数本の葉柄を出します。
青緑色の薄い葉は2〜3回3出小葉で、長い葉柄を持っています。小葉は卵形で深裂しています。
2月の最も寒い時に地中から葉が出、その葉がやや開いた頃、花茎が地面に沿って伸びてきます。
花茎に花序らしいものが見えても、地面に沿ったままで、蕾が大きくなります。
一番最初の花が開く頃になって、花茎は垂直に立ちだします。
長さ5〜15mmの小花梗は細く赤みがかっており、花序には5〜12個の花をつけます。
目立たない萼を持ち、苞葉は全縁です。
花はピンクから紫がかった白をしています。
上弁花は長さ2.5cmほど、上弁に続く距は1〜1.4cmで、わずかに上に反ります。下弁にも距のような膨らみがあります。
上弁の先端に長さ5mmほどの赤い筋が入っています。
上弁の先端に文様がついているのは多くのコリダリスで普通に観察されますが、線が入っているのは珍しいと思います。
夏に乾燥させる必要があるということです。
異学名はCorydalis kolpakovskiana,Corydalis kolpakovskiana var. hennigii , Pistolochia glaucescens
種小名グラウケスケンスは「やや灰色の、白粉をかぶったような」という意味ですが、葉の特徴を際しているのでしょうか。
ブログ初出:2019年3月
花期:冬から春
花色:白
滅多に稔りませんが、まれにこのような莢がつきます。