キケマン(黄華鬘)
コリダリス・ヘテロカルパ・ヤポニカ
Corydalis heterocarpa var. japonica
ケシ科キケマン属
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コリダリスを育てるとっかかりは、プラントワールド(PlantWorldSeeds)社から購入した種子由来の植物をコリダリス・マガダニカと信じて育てたのが始まりです。
PlantWorldSeeds社の以前のカタログには誤ったコリダリスがコリダリス・マガダニカの名で掲載されていました。その影響か、ネットで検索しても、今でも黄色でチョコレート色の帽子をかぶったコリダリスが見受けらます。
写真が掲載されていないサイトの文献にはコリダリス・マガダニカは球根性のコリダリスとされており、うちのマガダニカには球根ができないのはなぜかと疑いを持っていました。
さてこのキケマンは西日本以西では、ムラサキケマンと同じぐらいどこでも見かける二年草植物です。
背丈は45〜60cm、軟弱な印象で、毛は全く生えていません。太い茎は赤味を帯びることもあれば、葉と同じ色のものもあります。同じ個体でも時期によって変わるようです。
葉は2〜3回3出羽状に出ますが、同じ所で育てていても変異が生じ、葉先が尖ったものや、葉が開かないもの(一番下の写真のように1年中開きませんでした)や、突然斑入りになったりします。葉色も明るい緑色であったり、灰緑色であったりします。
花は春から夏までといわれていますが、株がある程度の大きさであれば真冬以外咲いています。花の長さは2cmまでですが、コリダリスの中では大きい方です。
黄色の花をつけますが、上下弁にチョコレート色の紋をつけるものや、つけないものがあります。
果実は蒴果で長さ2cmほど、やや太い狭長楕円形をしています。種子には種枕(エライオソーム)がついていて、蟻が運んでいくので至る所で咲いています。
繁殖力が旺盛で、わたしは斑入り以外は抜いています。
基本種は中国や満州に分布するツクシキケマン(筑紫黄華鬘:Corydalis heterocarpa)で、その変種として扱われています。
種小名ヘテロ(異なる)カルパ(果実)は「いろいろな形の莢の」という意味で、莢の中の種子の様子や形で亜種や変種に細分できるからです。
ツクシキケマンは莢の中の種子は1列に並んでいますが、キケマンは2裂に並び、そのためか莢が太いように思います。
HP初出:2004/6
春〜夏
花色:黄