コリダリス・オフィオカルパ
Corydalis ophiocarpa
ケシ科キケマン属
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コリダリス・オフィオカルパはヒマラヤ東部、チベットから四川省、雲南省までの1000m〜2500mの渓谷や森林、草原に自生する2年草です。
本州、四国の森林や林縁に自生するヤマキケマン(以前の学名はCorydalis japonica あるいは Corydalis makinoana)と同じとされています。
種小名のオフィオカルパは「ヘビの莢」という意味で、その莢は一番下の写真のように緑の蛇のようにくねくねになります。これはヒマラヤ産にも日本産にも見られる特徴で、それ故この学名になっているのでしょう。
しかし私の育てているヒマラヤ産のコリダリス・オフィオカルパは冬から春先にかけて薄い小豆色になり、ヤマキケマンとは明らかに葉色が違います。
日本とヒマラヤでは葉色に差があるのかもしれませんが、ヒマラヤ産の方が遙かに趣があります。
シダのような繊細な葉は花の時期になると灰青色に戻り、日本産のような明るい緑色にはなりません。
ところで2008年から10年この植物を育てていて(といってもこぼれ種が勝手に他のポットで芽を出すだけですが)、10年ほどたった頃冬の葉色のまま花をつけるようになりました。冬に比べると葉の中心部は灰青色ですが、驚くことに、莢まで小豆色のままです。
どうしてこんな変異が起こるようになったのかわかりません。ただ最近「ブロンズ ビューティー( 'BRONZE BEAUTY')」という園芸品種があることを知り、それが同じ葉色をしています。変異が固定しやすいのでしょうか。最近は銅葉以外のものが生えてこなくなりました。
4月頃になると花茎をあげ、旗が風になびくように長さ1cmほどの小さなクリーム色から硫黄色の花をつけます。
内花弁の先には薄赤色の付属物が出ています。
内花弁の先の模様だけではなく、上弁(外花弁)の上にも黄緑の模様が入ることがあります。
また莢がくねくね曲がると書きましたが、受精すると雌しべの段階でくねくねしてくるようです。
ヒマラヤ産の植物であるにもかかわらず、2年草として、暑い夏を避けて丈夫に育っています。
いろいろ見応えのある植物です。
ブログ初出:2008/5
春〜夏
花色:黄