アキチョウジ(秋丁字)
イソドン・ロンギツブス
Isodon longitubus
シソ科ヤマハッカ属
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本州中部から九州にかけて林縁や谷筋、山道沿いなどの半日陰の場所に分布する多年草です。
木質の地下茎をもち、そこから茎を50〜100cmに上げながら群生します。
断面が四角い茎の角には下向きに毛がはえています。基部がくさび状の翼とる葉柄のある葉は長さ7〜15cm、幅2.5〜5cmで、まばらに毛が生えています。
茎頂や葉腋に傾きながら花序つけます。
花冠は美しい青紫色で、長さ1.7〜2cmで萼の位置から後ろの方は膨らんでいます。
花弁の先で二唇形に2裂し、上唇はさらにギザギザギザと丸く3裂しています。下唇は先で浅く2裂しています。
1865年オランダ人の医者で植物学者のフリードリッヒ・ミクェル(Friedrich Anton Wilhelm Miquel:1811−1871)さんによってPlectranthus longitubusと命名され、1929年に台北帝大の工藤祐舜(ゆうしゅん:1887−1932)さんによってヤマハッカ(イソドン)属に再分類されています。
花の形が、チョウジノキ(丁字の木、香辛料のクローブ)の釘のような形の花蕾に似ているらしく、秋に咲く丁字からきています。しかし昔の人がクローブを知っていたとはビックリ。もっともチョウジノキから油を取り、刀の錆止めに使っていたので、昔から日本人は知っていたんですね。さらに正倉院の帳外薬物として丁香(ちょうこう)があるそうです。納得。
属名イソドンはギリシャ語で「等しい(iso)」「歯の(dons)」という意味で、萼が等分に裂けていることを指しています。
種小名は「長い筒の、長い管の」という意味のラテン語で、花冠の形を指しています。
ブログ初出:2006/5
秋(春?)
花色:黒(紫)