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ナギナタクウジュ(薙刀香薷)

  エルショルツア・キリアタ

Elsholtzia ciliata

シソ科ナギナタコウジュ属

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ナギナタコウジュ属はアジアやアフリカ、ヨーロッパに約40種が知られており、特に中国には33種が分布しています。多くは香りのあるハーブとして利用されています。

日本にはナギナタコウジュの他、フトボナギナタコウジュ(Elsholtzia argyi)の2種が自生しています。

いずれも葉などをもむと、独特の強い香気を放ちます。

 

ナギナタコウジュはインドから日本を含む温帯から熱帯にかけての東アジアに分布しています。山地のやや湿った明るい草原や道端などに生えています。

 

草丈は30〜60cmで、茎の先に5〜8cmの穂状花穂に一方向に向いて花がつきます。この形がナギナタに似ているので和名になっています。
花は長さ 5 mmほどの4裂する唇形で、淡紅紫色から紅紫色をしています。
花冠の先は細かく裂け、毛が生えているように見えます。

 

シソ科植物には珍しく花を包む、萼より長い扁円形の苞葉があり、苞葉には数個の花が包まれています。苞葉の背面は無毛ですが、外縁に短毛があり、毛が目立ちます。
終わり2枚のような株全体に赤い色素が多い個体もあり、苞葉も紫色をしています。花も美しい紅紫色です。

 

コウジュとは漢方での生薬の名で、全草を乾燥したものを香薷といい、解熱・利尿薬に用います。

属名エルショルツアは、医学、植物学、天文学に造詣の深かったドイツの博物学者エルショルツ(Johann Sigismund Elsholtz:1623–1688)さんに因みます。
種小名キリアタは「縁毛のある」という意味で、苞葉の縁の短毛を指しているものと思われます。
英名はベトナムでは料理に使われるところから Vietnamese Balm (ベトナムの香油)です。

 

 

 


 
ブログ初出:2006/10

花色:ピンク(赤)

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