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Linaria aeruginea

オオバコ科ウンラン属

リナリア・アエルギネア

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リナリア・アエルギネアは時には1年草に終わってしまうこともある多年草植物で、ポルトガルからスペインにかけて、イベリア半島の南部や西部、地中海のマヨルカ島で知られるバレアレス諸島の丘や山地の乾燥したガレ場に自生しています。
どちらかと言えば這い性というより、立ち上がっていき、それでも背丈は15〜30cmにしかなりません。
 
蕾の時からわかるほど萼や花冠の上部、茎の花に近い部分には毛(分泌腺)が生えていますが茎のほとんどや葉には毛は生えていません。
 
種小名のアエルギネアは「緑青色の」という意味で、全縁の細長い葉はシルバーグリーンをしていて、この葉色を指しています。
葉は基部では輪生してつき、上部の葉は互生しています。
 
背丈は10〜25cmほどに伸び、春に頭頂に総状花序に花をつけます。
花は普通は黄色ですが茶紫が入ったり、あるいはピンクに紫の入ったもの、黄色にオレンジのはい入ったもの、白に赤の入ったものなどのほとんどが2色咲きですが、紫一色のものもあります。
花冠は長さ5〜11mm、距も同長で5〜11mmの長さがあります。
色はこのような黄色やクリーム色で、下唇弁の基部に濃い黄色や オレンジ色の模様が入ります。
 
分布地によって違いがあり、亜種として
●亜種アエルギネア(Linaria aeruginae ssp. aerugunae)
スペイン・アンダルシア地方に分布、草丈が25〜78cm、花冠が黄色でピンク、赤、オレンジ色が入ります。
 
●亜種プルイノサ(Linaria aeruginae ssp. pruinosa)
スペイン地中海のマヨルカ島固有種で、花冠が黄色で、ピンクやオレンジ色が入ります。種小名は「白い粉をかぶった、霜のような」という意味です。
 
●亜種ネバデンシス(Linaria aeruginea ssp. nevadensis)
草丈は20cmほどで、黄花種。スペイン中部の山岳地帯ポルツ・デ・トルトーサ・ベセイト(puertos de Tortosa-Beceite)や北部の片岩のガレ地に自生しています。種小名は「(スペイン南部の)シェラネバダ山脈産の」という意味です。
 
●亜種カルドニカ(Linaria aeruginea ssp. cardonica)
カタロニア地方の石灰岩地に自生し、黄色にオレンジの入る花を咲かせます。種小名は「(スペイン東部バルセロナ近辺の)カルドナ産の」という意味です。
  
米国にも帰化しているようで、ロードサイド・トードフラックス(路傍の海蘭:Roadside Toadflax)と呼ばれ、乾燥した荒れ地や河床、開拓地の道路際などに多いようです。
 
 
 


 
ブログ初出:2011年5月
春〜夏
花色:黄

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