ニホンハッカ(日本薄荷)
メンタ・カナデンシス・ピペラスケンス
Mentha canadensis var. piperascens
シソ科ハッカ属
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ハッカ属は北半球の温帯、南アフリカ、オーストラリアに分布し、25種が知られています。芳香のある多年草、あるいは一年草です。
花は輪散花序につき、それが幾つか集まって穂状または頭状になります。花冠は唇形花ですが、ほぼ等しく4裂し、雄蕊は4本あり、長さが等しいという特徴がります。
変異性に富み、種間交雑しやすいので分類が困難といわれています。
ニホンハッカは東アジアに広く分布し、日本では全国の湿った土地に生える多年草です。
茎の断面は方形で直立し、高さ40~80cmで、茎の上方で分枝します。長い地下茎を延ばして広がります。
長楕円形の葉は対生し、先は尖り、鋸歯があります。葉の表面にはまばらに毛が生え、裏面には湯点があります。
夏から秋にかけて葉脇に短い柄のある小さい花を輪状に数段つけます。花は淡紫色の唇形花で、萼は先で、鋭く尖って5裂しています。
花冠は4裂し、上唇は2裂しています。
全草に香気があり、ニホンハッカはセイヨウハッカに比べて香りは乏しいのですが、ハッカ脳(メントール)の含有率が高いので、合成のメントールではなく天然物の食品、歯磨きや医薬品など、加工品に利用されています。
以前はヨウシュハッカ(Mentha arvensis )の変種(Mentha arvensis var. piperascens)という分類でしたが、ヨウシュハッカは花が房状に咲き、よりやや葉が短く、萼筒の裂片が丸くなっていることなどから区別されます。
英名はJapanese pepperminです。
和名は漢名の 薄荷を音読みしたもの。
属名メンタは、ギリシャ神話で地獄の女王プロセルピナ(Proserpina)によってハッカに変えられたメンタ(妖精)から、ギリシャの哲学者テオフラストゥス(Theophrastus)がつけたと言われています。
種小名カナデンシスは「カナダの」という意味で、カナダの標本が基準種になっていることが分かります。
変種名ピペラスケンスは「胡椒のような」という意味で、芳香のある特徴を指しています。
ブログ初出:2015/9
夏
花色:白