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タイマツバナ(松明花)

  モナルダ・ディディマ​

Monarda didyma

シソ科モナルダ(ヤグルマハッカ)属

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モナルダ属は北アメリカからメキシコにかけて12種が知られています。花は葉状の苞を持ち、茎頂に輪状花序につきます。

タイマツリバナは米国の東部に分布するシソ科植物で、草丈は普通は1mまでですが、高くなるものは1.5mにもなります。芳香があるので、同じ原産地のヤグルマハッカ(Monarda fistulosa)とともにベルガモットの名で流通します。
これらの葉を乾燥させて煮出すとベルガモット茶になります。

 

花は頭頂部に車輪状につき、その下には葉のような苞があります。原種の花は緋赤色ですが、この種類から発展した園芸品種は様々な色を呈します。


花を観察すると結構複雑な形をしています。
2本の雄しべが花から飛び出していますが、雌しべと一緒に筒状の上唇弁に納まり、その上唇弁の先には毛が生えています。
上唇弁は筒状になっているために、目立つのは下唇弁で、下唇弁だけの花のように見えます。その下唇弁の先には、もう一段小さい花弁が付いています。

 

タイマツバナとヤグルマハッカは区別が難しいようですが、葉に鋸歯があるものがタイマツバナ、全縁の葉がヤグルマハッカです。またヤグルマハッカは筒萼部に毛が密生しています。
ただこの2種は原産地が同じということもあって交雑していることが多く、両方の特徴を備えているものも多いようです。

英名はビーバーム(bee balm)で、蜜源植物として用いられています。

属名モナルダはスペインの医師で植物学者のモナルデス(Nicolás Bautista Monardes:1493−1588)さんの名をリンネさんが献名しています。モナルデスの努力がスペイン王フィリップ2世を動かし、フランシスコ・ヘルナンデス(Francisco Hernández:1514−1587)が新大陸遠征に派遣され、タバコを初め南北米大陸の薬用植物がヨーロッパで知られるようになりました。

種小名ディディマはラテン語に由来し、「対になった」という意味で、雄ずいが対になっていることを示しています。


 
ブログ初出:2008/7

花色:赤・白・ピンク

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