Primula x kewensis
サクラソウ科サクラソウ属
プリムラ・キューエンシス
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プリムラ・キューエンシスはプリムラ・フロリブンダ(Primula floribunda)とプリムラ・ベルティキラタ(Primula verticillata)との交雑種です。
プリムラ・フロリブンダはパキスタン-アフガニスタン間のカイバル峠からネパール南西部までの海抜500〜2700mのヒマラヤ北西部に分布し、20cmまでの背丈で、筒部の長い黄色い花を沢山つけます。種小名は「花の多い」という意味です。
プリムラ・ベルティキラタはサウジアラビアからイエメンまでの山岳地帯に分布する黄色い花をつけ、フロリブンダより長い筒部を持っています。
種小名のベルティキラタは「輪生の、渦巻きの」という意味で、花が渦巻き状につくことを指しています。
プリムラ・フロリブンダとプリムラ・ベルティキラタは全く異なる地域ですから自然状態では交配するわけがありません。イギリスのキュー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew)内で自然交配したものと考えられており、1898年に公表されました。
世界中の植民地から集められた植物は、1759年に設立されたキュー王立植物園で研究されます。現在では世界で最も有名な植物園で、2003年にユネスコ世界遺産にも登録されています。
プリムラ・キューエンシスは花の時期になると花茎を立て、茎頂に総状花序に花をつけます。
花は径1~2cmの鮮やかな黄色一色で、輪生状につけます。
長さ7~10cmの卵形の葉は、フェリナによって粉白色を帯びますが、最近のものはフェリナをつけないものもあります。
プリムラ・キューエンシスは交配種だけあって本当に丈夫なプリムラで、何の工夫もせず、暑い夏を乗り切ってくれます。
また稔性が強いようで、全ての花が稔ります。
昨年はいくつかの花弁しか緑化しなかったのですが、今年は全ての花に粉を吹いた緑が現れました。
さらに花の形の乱れもなくなり、いい感じになってきました。
プリムラ・キューエンシスにこのような芸が普通に見られるのか知りませんが、この株の親にも同じ芸がでていました。
ブログ初出:2010/4
春
花色:黄
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