Primula 'Cowichan's
サクラソウ科サクラソウ属
プリムラ「カウチン」系
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プリムラ「カウチン」とはバーンヘイブン(Barnhaven)系の品種の中で、1930年代作出された、花の中心部に黄色い目が入らない(目立たない)品種を指します。
カウチンというのは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州ビクトリア市の北西60kmの土地に住む先住民族のカウチン族のことですが、日本ではカウチンセーターで有名です。
このプリムラにカウチンとつけられているのは先住民族にかかわっているからではなく、米国アラスカ州バンクーバー島のカウチン渓谷のカウチン湖近くの庭で偶然見つかったのでこの名があります。
ところでこの植物を育種したフローレンス・ベリス(旧姓フローレンス・ハーティッグ Florence Hurtig:1906 ー1987)さんは、バーンヘイブン・プリムローズ(Barnhaven primrose)という屋号でサクラソウの種子会社を興し、その後オレゴン州立大学で学び、アメリカ・プリムローズ協会(American Primrose Society)の創立に関係し、会誌の編集に尽力し、1959年にボブ・ベリス(Bob Bellis)さんと結婚しました。彼女が亡くなった 後、種子を引き継いだ人たちによって現在はフランスで育種されています。
一番目の写真「カウチン・ガーネット」(Primula 'Cowichan Garnet')は、非常に濃い赤色の花を咲かせますが、日陰では黒に見えると言っていいほどです。
赤い色素は株全体に影響し、花茎は赤く、葉は葉縁に赤く色づく銅葉です。
下枚は、もう一つの「ベネチアン・カウチン」(Primula 'Venetian Cowichan')は明るい紅色をしています。「カウチン・ガーネット」同様花茎は赤く、葉も銅葉です。
バーンヘイブン・プリムローズ系のプリムラは、過去の育種で大きく貢献したにも関わらず、F1種主体の今日では、花の大きさや花色が地味なためか顧みられない存在になりつつあります。
私はこの地味さが好きです。
ブログ初出:2008/4
春
花色:赤
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