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ツルボ(蔓穂)

バーナーディア・ヤポニカ

Barnardia japonica

​キジカクシ科ツルボ属

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ツルボは以前はスキラ(シラー)属に含まれていましたが、今日ではバーナーディア属に分類されています。
バーナーディア属は英国の植物学者のジョン・リンドレイ(John Lindley:1799-1865)さんによって1826年に公表されて、ツルボはバーナーディア属の唯一の種類としてバーナーディア・スキロイデス(Barnardia scilloides)と名付けられました。しかしすでに、出島商館付医師として鎖国期の日本に1年滞在し、日本の植物学に貢献のあったツンベルク(Carl Peter Thunberg)さんによって1784年にオルニソガルム・ヤポニクム(Ornithogalum japonicum)として公表されていたため、種小名がスキロイデスではなくヤポニカになりました。

バーナーディア属はツルボと北アフリカの種類の2種が知られていますが、いずれも花期は秋で、密集した花序に、細い花被片を持つ花をつけます。花披片はピンク、まれに白で、付け根まで分かれていて平開します。6本ある雄しべは糸状ですが基部で披針形に広がるという特徴があります。

ツルボは東アジア(中国、朝鮮、ロシア東南部、台湾)から日本まで広く分布します。日当たりのよい林縁や草地、草原に自生しています。
径2〜3cmの卵球形の鱗茎には薄くて黒い外皮があります。
葉は根出し、幅5mmほど、長さ10〜25cmの線形しています。
 
春に葉を出し、花を咲かせないまま暑くなると、地上部は枯れて休眠してしまいます。
夏の終わりに高さは20〜40cmのツクシのような蕾をつけた花茎を延ばし、長さ10cmまでの花序には花が密集してつきます。
長さ4mmほどの長楕円状倒披針形の花披片は、淡紅紫色で6枚あり、平開します。
雄蘂は6本あり、糸状の花糸は紫で、基部で披針状に膨らみます。
ツルボは花を咲かせた後、葉を展開し、3室に分かれた果実には黒い種子が入っています。
 
ツルボは凶作年の食物として食べられていたそうですが、有毒植物で強心性の配糖体を含んでいるので、アク抜きをする必要があり、数日水に晒しては煮るということを繰り返してから食せられていたようです。
 
これまでは土手の下などで近づいてみることができなかったのですが、土手に咲いていたツルボのタネをとって育ててみて近くで観察することができました。1番下の写真のように、茎がこんな風にネジネジになっているのに気がつきませんでした。

なお属名のバーナーディアは英国の動物学者で植物学者のエドワード・バーナード(Edward Barnard:1786-1861)さんを称えてつけられています。
 

 


 
 
 
ブログ初出:2006年9月
花時期:秋
花色:紫

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