Thalictrum clavatum
キンポウゲ科カラマツソウ属
タリクツルム・クラバツム
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カラマツソウ(唐松草)属は南アメリカや南アフリカに分布する少数を除けば、北半球に約100種が知られています。
日本には約15種が分布し、いずれも多年草です。
タリクツルム・クラバツムは米国ジョージア州や南・北カロライナ州からケンタッキー州にかけての米国南東部に分布しています。
アパラチア山脈などの海抜500mまでの山や麓の湿り気のある林内、崖、浸食された斜面、小川のほとりに分布しています。
現地ではMountain meadowrue(山のカラマツソウ)と呼ばれています。
全草無毛で、草丈は20cmほどです。
カラマツソウの仲間は1mほどに育つものが多いので矮性の種類と言えます。
花の時期になると20〜50cmの高さに何度か枝分かれしながら花茎を立てます。花茎にも葉はついています。
私の所のタリクツルム・クラバツムは、せいぜい30cmほどです。
根生葉は2〜3回3出複葉で、花茎には3枚の小葉がつき、小葉裂片は倒卵形をしたアジアンタムのような可愛い葉です。
葉は明るい〜濃い緑色ですが、葉裏は灰緑色をしています。
花は茎頂に円錐花序か、ゆるやかな散房花序に少数つきます。
俯いて現れる蕾は白い萼に包まれて、萼が割れて多数の雄しべと雌しべが菊の花のように現れます。
華奢で長い小花梗には非常に小さな苞葉がついています。
花には花弁がなく、開ききる前に萼片を落とし、雄しべと雌しべだけになります。
花糸は白色で、先が広くなる扁平な棍棒状をしています。
葯は白緑色で、花糸と葯を併せると4〜6mmになり、直径1cmほどの球状に開いて、白い房飾りのようになります。
花と見えているものには花弁も萼もないのですね。
大きさ、優しい葉、自己主張しない花など山野草としては好ましい属性を持っています。
属名タリクツルムは古代ギリシアの医者、薬理学者、植物学者のディオスコリデス(Dioscorides:40年頃-90年)がつけたこの属の植物の古名thaliktronに因むといわれています。
種小名クラバツムはラテン語で「棍棒状の」という意味で、花糸を指しているものと思われます。
ブログ初出:2018/5
春
花色:白
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