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アルブカ・バラクテアタ

Albuca bracteata

キジカクシ科アルブカ属

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英国の植物学者でキューの王立植物園の園長を務めたことのあるのエイトン(William Townsend Aiton:1766-1849)さんに1789年にオルニソガルム・カウダツム(Ornithogalum caudatum)と命名されました。
ところがどういういきさつか明確でないのですが、スエーデンの植物学者で、1年間出島商館付きの医師として日本の植物学に貢献したツンベルク(Carl Peter Thunberg:1743−1828)さんによって、1794年にオルニソガルム・バラクテアツム(Ornithogalum bracteatum)と公表され、これが正式名となりました。2009年に分子系統発生学的分類がなされオルニソガルム属からアルブカ属に移され、アルブカ・バラクテアタとなりました。
日本ではオルニソガルム・カウダツムの方がよく知られています。
 
南アフリカ共和国のケープ州南部やクズワール・ナタール州のインド洋沿岸の海岸地域からドラケンスバーグ山脈の海抜300mほどの丘陵地帯まで、森林やフィンボス(Fynbos:灌木植生地域)、サバンナなどの温暖湿潤な土地に広く自生しています。
 
夏に成長するタイプのアルブカです。 
春に根出する葉は花茎が上がると同時に5〜10枚が現れます。やや肉厚の、幅2〜5cm、長さ30〜60cmの長披針形をしています。葉は始め立ち上がりますが途中から湾曲して垂れ下がります。
 
花茎は60〜90cmの高さに伸ばし、花は総状花序に、房状になるほど多数つき、よい香りがします。
白い花は径1.5cmほどの星形で、花被の竜骨部にはっきりした緑の筋が入っています。
他のアルブカと違って6枚の花被片は開平します。この点がオルニソガルム属に分類された理由のようです。

英名をfalse sea onionといい、日本ではこれを直訳して偽海葱(ギカイソウ)呼んでいます。
和名はコモリカイソウ(子守海葱)と呼ばれており、それは大きな球根を露出させて植え付けると、球根の薄皮内に子球(ムカゴのような小球根)を沢山つけることに由来します。
 
ところでこれが偽海葱という名をつけられているということは本物の海葱(sea onion)があるわけです。
海葱という植物は、アルジェリア東部を中心に地中海地域の海岸に野生するウルギネア・マリティマ(Urginea maritima:ユリ科ウルギネア属)をいいます。
実物をみたことがないのですが、子どもの頭ほどの鱗茎(タマネギ)から高さ1m以上にの花穂を伸ばし、白色の花を多数総状につけるそうです。花には緑の帯が入っていないのですが、アルブカ・バラクテアタの大型のような姿をしています。
なお海葱と呼ばれているのは、種小名マリティマの「海の」という意味からわかるように、海岸に分布しているからです。
 
種小名バラクテアタは「小葉」を意味するラテン語のbracteaに由来し、花茎につく糸状の苞葉を指しています。
そういえば花序が出てきた頃には、穂の間から細い苞葉が飛び出しているのが目につきます。
 
またオルニソガルム属の時の種小名のカウダツムは、ラテン語のcaudaが「尾」を意味し、「尾のある」という意味になります。
日本では「トラノオ」と付く植物のように、房状にしなって花が付くからだと思います。
 

 

 

 

 

 


 
 ブログ初出:2009/6

花色:白

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