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Viola hederacea 'Baby Blue'

スミレ科スミレ属

ビオラ・へデラケア「ベイビーブルー 」

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ビオラ・へデラケアでブルーの花を咲かせるビオラ・へデラケア「ベイビーブルー 」はオーストラリアの野生種とされていますが、分布地を示した文書に出会えません。たぶんビオラ・へデラケアの選別園芸品種ではないかと推測されます。


ところでビオラ・へデラケアは以前の名で、今はビオラ・バンクシイ(Viola banksii )に替わったと記されているサイト(特に日本の)を見かけます。そのため「ベイビーブルー 」もビオラ・バンクシイという名になってしまっています。

ビオラ・へデラケアを全てビオラ・バンクシイに変えてしまってよいものかとモヤモヤしているところで、シェールさんとプローバさん(Kevin R. Thiele and Suzanne M. Prober)の2004年に書かれた論文に出くわしました。

そこにはビオラ・へデラケアとビオラ・バンクシーは似てはいるけれど、全く別物であることが記されていました。

シェールさんらの論文から判断すると日本でパンダスミレなどの名前で流通しているビオラについてはビオラ・バンクシイに間違いないようです。

ビオラ・バンクシイは、英国の自然学者で植物採取パトロン(資金援助者)のバンクス(Joseph Banks:1743 –1820)さんと、彼に雇われたスエーデンの植物学者ソランダー(Daniel Charles Solander:1733- 1782)さんがクック船長の太平洋航海に参加して、オーストラリアで収集し、1770年にソランダーさんがバンクスさんの名を献名して公表したビオラです。


しかしこの時に採取された基準標本は失われてしまい、ビオラ・バンクシイがどのようなビオラであったかわからなくなってしまいました。


少し後にフランスの植物学者ラビラリャディエール(Jacques Labillardière:1755-1834)さんはタスマニアで発見したビオラをビオラ・へデラケアと命名し、1805年に公表しました。その結果オーストラリア東部に広く分布しているビオラ群が十把一絡げにビオラ・へデラケアと呼ばれるようになってしまったようです。


しかしシェールさんは、ラリャディエールさんによって収集された標本とオーストラリア東部の沿岸部に分布するビオラが必ずしも同一でないことに気がつき、ラリャディエールさんの基準標本と異なるビオラがビオラ・バンクシーであると考えたのです。
ビオラ・バンクシーはブリスベンからベーテマンズ湾までの東海岸に分布しています。

ビオラ・へデラケアはタスマニア島を含むオーストラリア南東部の乾燥地からやや湿地、まれに林間に自生しています。花色は紫から薄い青色と白の2色咲きで、唇弁の大きさは日本のスミレに似てやや大きい程度の倒卵形、側弁の毛は奥まった所につき、目立ちません。
葉は粗い鋸歯のある腎形で、基部は切形をしています。葉の色もビオラ・バンクシーに比べると濃い緑色で、表面に粗く毛が生えている葉も見られます。


「ベイビーブルー 」は直射日光を避けて、半日陰の明るい場所で育てるとよく茂るようです。
香りがあるという記事がありますが、私は感じません。
「ベイビーブルー 」には稔性があり、果実には紫色の縞が入ります。

種小名へデラケアは「ツタ(ヘデラ)のような」という意味です。


園芸名の 'Baby Blue' 以外に、'Wisley Blue' があります。ウイズレーは英国の地方名で、RHS(王室園芸協会)の植物園があります。

 


ブログ初出:2020/5

花色:青

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