
コリダリス・デンシフロラ
Corydalis densiflora
ケシ科キケマン属
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コリダリス・デンシフロラはシチリア島の海抜900m以上の山地に自生しています。
1997年のゼッタールンド(Henrik Zetterlund)さんらによる文献では、デンシフロラはコリダリス・ソリダ・ブラクテオサ(Corydalis solida ssp. bracteosa)の異学名だと記されています。なお今ではコリダリス・ブラクテオサはソリダの亜種ではなく、コリダリス・ブラクテオサ(Corydalis bracteosa)として独立した種類となっています。
ところが同じくゼッターランドさんらの2008年に出版された書籍("Bleeding Herts, Corydalis, and Their Relatives")になると、亜種ブラクテオサではなく、コリダリス・ソリダ・インキサ(Corydalis solida ssp. incisa)の異学名として少なくとも1800年代から園芸的にデンシフロラという名で流通していたと書かれています。
この様な混乱はこの植物の標準標本が中国に保管されており、標本を照会できないイタリアの植物学者が標本と植物を同定できなかったのが原因といわれています。1924年にイタリアの自然科学者のフィオリ( Adriano Fiori:1865–1950)さんはイタリア北端のトレンティーノ・アルト・アディジェ自治州、アペニン山脈南部、シチリア島に分布しているものをコリダリス・ソリダ・デンシフロラ( Corydalis solida var. densiflora)と命名しました。また1982年になってピグナッティ( Alessandro Sandro Pignatti:1930 ー ) さんがイタリア半島のつま先に位置するカラブリア州とシチリア島に自生するものに限ってコリダリス・ソリダ・デンシフロラとしています。
さてコリダリス・ソリダの亜種かどうかは別にして、背丈も花の大きさも、ソリダより小さいようです。さらに見た目に丈夫そうだと思えるほど茎が太く、花序もコンパクトにまとまっていて、苞葉も幅広く、葉がより細かく裂けています。
花茎が寝たまま伸び、そのままで花を咲かせることもデンシフロラの特徴のようです。
苞葉が目立つものにコリダリス・ソリダやコリダリス・プミラ(Corydalis pumila)があり、これら3種はよく似ていますが、デンシフロラとソリダと比べると、花が小さく、苞葉が幅広く、小花梗が短いという特徴があります。
花は、時には濃い紫のものが生じることがあるといわれていますが、花の先が明るいピンクの白い花もあるようです。
花の上花弁は後方に伸びて太めの距になっていますが、下花弁にも非常に短い距があるようです。
萼はありません。
葉は2回3複葉で青緑をしています。
種小名は「密に花を咲かせる」という意味です。
ブログ初出:2019/3
花期:春
花色:ピンク
