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コリダリス・ソリダ・インキサ

Corydalis solida ssp. incisa

ケシ科キケマン属

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キケマン属の花の構造は特殊で、花弁は4枚、大きさの違う上下に開く花弁を外花弁と呼び、前につき出してるドーム状で左右に開く花弁を内花弁と呼びます。
外花弁の上方の花弁は大きく後方に伸び距となります。外花弁の下方の花弁にも距があるものもあります。
 
コリダリス・ソリダは塊根を作るコリダリスで、ヨーロッパ中部から小アジアにかけて分布しています。
落葉樹林内の日陰の湿った土壌地に自生しています。
春に葉と花を出し、夏前に地上部が枯れてしまうエフェメラル(ephemeral:春の妖精)です。
 
花色には変異がありますが、主に赤紫色のコリダリスで、白花を始め、赤や紫の花色を持ち、園芸種の親として多くの品種が生まれています。
花柄の前にある外花弁の下方花弁の距が大きいのが特徴です。
 
その変種のインキサは背丈15〜20cmほどで、塊根を持つ多年草で、灰緑色のシダのような葉(三出複葉あるいは羽状複葉)を持っています。
インキサ以外のコリダリス・ソリダは平地のコリダリスですが、インキサは山地に育つソリダです。
草丈が低く、花茎は丈夫です。
苞葉の裂片は細く、狭く裂けており、他のコリダリス・ソリダは1ヶ所が大きく裂けているだけなので、明らかに違っています。

変種名の「インキサ」はラテン語で「鋭く裂けた」という意味ですが、苞葉の裂片が先でさらに裂けるという特徴を指しています。
 
コリダリスの苞葉は裂けるか、裂けないかといった程度なので、細かく裂けるといっても、他のコリダリス・ソリダと比較してということで、ムラサキケマン(Corydalis incisa)とは比較になりません。
ムラサキケマンには「インキサ」という種小名がついていますが、こちらは多くのコリドラスとの比較ですから、苞葉が細く裂けています。
花は長さ2.5cmほどでキケマン属では大きめです。
白に近い淡い紫色から薄い赤紫色をし、内花弁に濃紅色の模様があります。
この株は日本人好みの優しい薄い赤紫色です。
 
王室園芸協会から1992年に新人賞であるPC(Certificate of Preliminary Commendation)を受賞、さらにバランスの良い容姿から2000年にAGM(Award of Garden Merit)を受賞しています。
 
以前は変種ではなく、独立した種類としてコリダリス・デシピエンス(Corydalis decipiens:偽りの、虚偽のという意味)と呼ばれていました。
英名はincised fumewortです。
 
種小名のソリダは「密な」という意味で、花が密に総状花序状につくことを指しているようです。
なおコリダリス・ソリダにはCorydalis halleriやCorydalis transsylvanicaという異学名があります。

 

 


 
ブログ初出:2016/4

花色:紫 

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