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Primula 'Thirty-one'

サクラソウ科サクラソウ属

プリムラ「31」

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「プリムラ31」というプリムラ・フィルチネラエ (Primula filchnerae )とプリムラ・シネンシス( Primula sinensis)を交配した新しいプリムラ(Primula 'Primula Thirty-one':Primula filchnerae X sinensis:サクラソウ科サクラソウ属)が流通しています。

プリムラ・フィルチネラエは、雲南サクラソウという名でこの時期よく目にします。
フィルチネラエとシネンシスとは花や全体の形がなんとなく似ていますが、系統的には全く違うそうです。
両者は比較的近縁という記述を見ますが、それは過去の分類で、最近の分類学では異なる節(属より下、種より上位のカテゴリー、前者はピンナタエPinnatae節、後者はアウガンサスAuganthus節)に入れられています。

 

かって甲子園球場そばの阪神パーク(今はありません)に、父親がヒョウ、母親がライオンのレオポンという種間雑種の動物が、1959年から61年にかけて5匹生まれました。ところが種間雑種は子孫が残せませんので、1985年を最後に阪神パークのレオポンは絶えてしまいました。
環境に適応できなかったり、子孫が残せないなどの問題があり、種間雑種は自然の中では生じにくいのです。

 

プリムラ・フィルチネラエとシネンシスの交配は、花の時期は一緒ですが、レオポンと一緒で、隔たった種同士なので種間交配に当たります。
長い間プリムラ・フィルチネラエとシネンシスの交配を試みる人は多かったようですが、全て失敗で、交配は難しいと言われてきました。
できたとしても育てにくいだろうし、稔性(タネができないこと。タネができるかどうかで種内か種間かの区別ができます)を持っていない子孫ができる可能性がありました。

 

ところが千葉大園芸学部植物細胞工学研究室の三位正洋さんが、2007年に産学連携で開発に成功し、「プリムラ31」という名称で今年から大量に出回るようになりました。
バイオテクノロジーの応用で、それぞれから抽出した細胞を無菌培養する特殊な方法を用いたということです。
たぶんバイオテクノロジーによって「キメラ」よばれる両者の細胞や組織の混在した状態を作り出したのではないかと思っています。 ハーフ(種内雑種)のように親の持たない性質や、親とは違う良い性質が表れるのではなく、それぞれの特徴がモザイク的の表れます。タネもできるようです。

 

シネンシスの特徴は、羽状に切り込んだ青灰色の葉や、ベル状をした萼に顕れています。
花の色はプリムラ・フィルチネラエ(雲南サクラソウ)をもう少し濃くした感じです。
両者の特徴は植物体全体に柔毛が密生していることでしょうか。

名前になっている「31」の由来は分かりません。

 

 

 

ブログ初出:2008年2月

花期:冬〜春

​花色:ピンク​
 

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